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fall
自警団の青年が一人、ランプ片手に見回りのため夜道を歩いていた。
夜も更け、営業している店も少なくなってきた頃。
治安の良い土地なので、今日も問題なく終えるだろう。
途中、飲み終えた知人に出くわし、気をつけて帰れよと見送った。
巡回ルートを終え、さぁ自分も帰ろうとした時。
路地裏から、呻き声が聞こえてきた。
それに、男の声が重なる。
激しく言い争うわけではないが、もめているように思えた。
面倒事の可能性に顔をしかめるが、見過ごすわけにはいかない。
一人で対処できなければ応援を呼ばないといけないので、とりあえず様子を窺おうとそっと路地裏を覗いた。
ばれるといけないので、ランプは地面においておく。
シルエットから、すらりとした男が立っているのがわかる。
その前に、人がうずくまっていた。
土下座のような体勢だ。
一瞬、借金取りか何かかと思ったが。
「すまなかった、許してくれ」
震える声の主も男で、縋るように手を伸ばす。
それを。
「断りなく俺に触れておいてただですむと思うのか?」
勢いよく足で踏みつけた。
響いたのは紛れもない悲鳴だ。
「うん?この手だったな、必要ないなら俺が切り落としてやろうか?」
「や、やめてくれそれだけは」
酔った勢いで絡んだのか。
男同士だが、そこは考えないでおこう。
無理矢理何かしようとしたのなら、自業自得ではないか。
いやしかし、やりすぎだ。
声をかけて仲裁すべきだと判断する。
剣を抜く気配はないので、一人でも大丈夫、そう思ったとき。
「へぇ、手は嫌か。ならばそれ相応の対価を払って貰おうか」
ようやく手を踏んでいた足が外れ、男の肩を蹴る。
ぐしゃりと地面に倒れ込んだ。
その、下腹に足が埋まった。
「ぐぁぁっ」
「ん?痛かったかな?」
ちらりと見えたその足は、ヒールの高いブーツで。
「ずいぶん粗末な物がついているな」
ぐり、と捻る脚のラインが美しい。
あぁぁぁぁぁーーーーー!!
青年も、声にならない悲鳴を上げた。
ひゅっと背筋が冷え、思わず自身の股間を押さえる。
痛い痛い痛い痛い、痛いに決まっているじゃないか!
「こんなもので俺の相手をする気だったのか?」
「やめ、あぁっっ」
力を込めた思うと少し浮き、強弱を付けているのがわかる。
倒れ込んだ体がびくびくと震える。
「うん?これは何だ?言ってみろ」
平坦な声で嬲りながら、問いかける。
しかし痛みのせいか男は答えることなどできないらしい。
そりゃそうだろう。
「ほら、言わないとこのまま潰してもいいんだぞ」
ぐぅ、と足が沈む。
「っやめてくれ……」
「じゃあこれは何だ?」
「あ、あぁぁ」
諦めたような声が漏れた。
「……勃起している」
は、と青年は瞬く。
どこにそんな要素があったのかわからない。
「踏まれて興奮するとは、空の民もずいぶん好き者じゃないか」
「あぁっ!」
その声に滲む喜悦に気付いてしまう。
「地面にはいつくばって惨めだと思わないのか?」
時々、男の体を足で左右に揺らし、再び股間を刺激する。
与えられる痛みを甘受しているように見えるが、暴力だ。
止めに入るべきだと思うのに、動けない。
「ぁ、は、イクっ……」
一際大きく、その体が震えた。
「誰が達して良いと言った?」
不機嫌そうな声を出し、ぐりぐり、と足を動かす。
それにすら感じるのか、言葉にならぬ喘ぎが聞こえてくる。
「汚れてしまったじゃないか。ほら、自分で汚したところぐらい綺麗にしろ」
そこでようやく踏むのを止めた。
ざり、と土を踏む音に、濡れた音が重なる。
何が起こっているのかもう考えたくもない。
ふ、と男がこちらを見た。
「覗き見とはいい趣味だな」
足音が近付き、男の顔が認識できるようになる。
綺麗な、赤い瞳が魔物のようだと思った。
「君も、こうされたいのかな?」
手で押さえた先、自分も反応していることに今更気が付いた。
暗闇へと、引きずり込まれる。