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Ill Communication
今年もアウギュステで屋台を開かないか、とシェロカルテから打診があった。
グランの了承を得て、サンダルフォンが引き受けた。
過去の経験を生かし売り上げも伸びている。
グランとルリア以外にも、手の空いた団員が手伝ったりと毎年にぎやかだ。
島に着き、案内されたのは立地のいい区画だった。
シェロカルテの計らいだろうか。
サンダルフォンはすぐに掃除やテーブルの設置などに取りかかる。
日差しが強く、動けば汗が浮く。
以前は躊躇っていたが、鎧を消した軽装になる。
観光客の姿も少ないが海に見えた。
設備は使えるようになっているし、屋台も綺麗なものだ。
手伝おうかという申し出は断ったが一人でも大丈夫だろう。
掃除の途中で、顔見知りの人物がやってきた。
シェロカルテが以前紹介してくれたフルーツの仕入業者だ。
彼女から連絡がいったのだろう。
相変わらず抜かりがないと感心しつつ、天候や現在の観光客の数などについて話しながら決めていく。
数量を紙に記入し、最後にサインをしようとしたとき。
ふ、と手が動かなくなった。
一瞬だけだが、引きつるような感覚。
無意識に眉が寄る。
相手は気付かぬようで、サインを書ききると、では明日の朝配達しますと告げて帰って行った。
その背を見送り、ぼんやり手を眺める。
幾度か開閉を繰り返して。
「……ふん」
コアの異常の可能性がある。
しかし、今更天司に不具合が出ても不都合などない。
ただ、団長であるグランには報告した方がいいだろう。
そんなことを考えていると、夕方に姿を見せた。
「どう?順調?」
いつもより薄着のグランは、珍しく一人だ。
手には何やら色々と抱えている。
顔の広い彼は知り合いへ挨拶に回っていて、その先々で持たされたらしい物をカウンターに乗せた。
「よかったら一緒に食べよう。ルリアたちも後でここに来るんだ」
「そうか、フルーツくらいなら切ろうか」
手頃なサイズの物を取ろうとして、手の力が抜けた。
落下したそれをグランが咄嗟に掴む。
「サンダルフォン?」
不思議そうに瞬く。
そこで、あぁ話さなければと思い出した。
「少しコアに不具合が出ているらしい」
「え、何それどういうこと?」
天司に寿命はなく、病気ももちろんかからない。
個体差はあるが怪我も修復される。
コアが損傷を受ければ存在にかかわるけれど。
それ以外は丈夫なものだ。
外傷がないのだからグランも疑問に思うだろう。
「さぁ、俺にもわからん」
「わからんって……」
「……俺が店に立てなくなったら、誰かに代わりを頼めるか?」
「それはもちろんいいけど……サンダルフォンは?大丈夫なの?」
存在理由がなくなれば、消滅するかもしれない。
この世界に不要とされるということか。
口にしようとして、心優しい彼には聞かせられないと思った。
きっと悲しげな表情をするだろう。
「そのときにならなければ何とも言えんな」
改めてフルーツを受け取り、ナイフを入れる。
爽やかな香りが辺りに広がった。
アウギュステに滞在する間、サンダルフォンは艇に戻らずに部屋を借りていた。
それもシェロカルテの勧めによるもので、同じようにバカンスシーズンに仕事で滞在する者向けの部屋だ。
狭いが、苦にはならない。
屋台の準備は無事に終わり、すぐにでも開けるだろう。
明け方が近くなり、外から鳥の鳴き声が聞こえてくる。
サンダルフォンは休息のため横になっていたベッドから起き上がり、おや、と思う。
肉体に違和感がある。
昨日の不調が続いているのだろうか。
「……?」
周りの者に倣い、部屋では薄着で過ごしていた。
その薄い布が、胸の辺りで膨らんでいる。
肉体で起こった変化を理解し、瞬く。
何がコアに影響を与えたのだろうか。
不思議に思いながらベッドを下りて服を脱ぐ。
シャワールームの鏡を見れば、女性の体がそこにあった。
「ほう、完全に変化しているな」
軽く体を動かすが、可動に支障はない。
力もきちんと使えそうだ。
原因は不明だが、見た目が変化しただけで問題はないだろう。
そう判断して部屋を出ることにした。
「……サンダルフォン?」
屋台で開店の準備をしていると、伺うような声をかけられた。
顔を上げればグランが立っている。
「どうした、こんな早く」
「昨日調子悪いって言ってたから大丈夫かと思って見に来たんだけど」
言いながら、視線が胸の辺りに留まる。
「あぁ、起きたら女性体に変わっていた」
上着の胸元を広げれば、手が伸びてきて押さえ込まれる。
「グラン?」
「何してるの見えちゃうでしょ!てかその格好何!?」
何、と問われて見下ろす。
体が少し縮んだようで、ボタンを留めた上着はかなり緩い。
袖も余るので肘まで数回折った。
下は水着で、紐を締めて落ちないようにしている。
全体的にサイズが合っていないが、他に衣服もないし、鎧などではまた暑苦しいと絡まれるだろう。
「何か問題でも?」
仕方がないだろうと主張したつもりだが、盛大に溜め息を吐かれてしまう。
「問題しかありませんけど?」
「……特にどの辺りが?」
「どこっておっぱ……」
外れていたボタンを留められる。
ほんのりと頬が染まっていた。
いつも少し上から見ていたが、今は視線が同じくらいだ。
「……胸が見えちゃうでしょ」
空の民の羞恥心はサンダルフォンには想像しかできない。
頭では理解していても、自身がそこに馴染むのは難しかった。
「……薄着の者もいるじゃないか」
グランにまずいと言われるなら、やはりまずいのだろう。
そう思うが頭から否定されて少し納得がいかない。
露出具合ならば他にもきわどい者がいるじゃないか、と。
「あれはちゃんと隠してるからいいの!」
「俺だって隠れてるだろ」
「いや違う、わかってないからさっきもポロリしてたでしょ!チラリじゃなくてモロリだわ!やめてよこのゲームPG12なんだから!」
「……グラン、さっきから何を言っているのかよくわからない部分がある」
そうやって、店先で騒いでいたからか。
それとも単に様子を見に来たのか。
「どうかされましたかお二人とも~」
のんびりした声とともにシェロカルテが現れた。
サンダルフォンの姿に気付き、ぱちぱちと瞬いて。
「おやおや~サンダルフォンさんですよね?」
問われ、簡単に説明すれば、そうだったんですか~と驚いた様子もなく納得された。
そういえば屋台の運営に問題があるかと不安になって聞いてみれば。
「屋台の方は大丈夫なんですが」
「なら何が問題だ」
「その格好はあまりよくないですねぇ~」
「格好」
横を見れば、グランが当然だと言わんばかりの表情をしている。
「確かに不格好かもしれないが、他に服もないし」
「ではお買い物に行きましょう、知り合いのお店を紹介しますよ~。接客業は清潔感も大事ですから~」
「いやしかし、準備がまだ」
そんな些細な抵抗は。
「僕がしておくよ」
グランの声に遮られた。
シェロカルテに案内され店に向かう途中、ルリア達女性陣と遭遇した。
はわはわと動揺され、先ほどと同じ説明をする。
最初は皆驚いたが、これまでに様々なトラブルに巻き込まれてきた面々は簡単に受け入れてしまう。
そして自分ではよくわからないからと、服、今回は水着を選んでもらうことにした。
華やかな店内で、何でもいいと告げればやたら華美な物を渡されそうになったので、シンプルな物がいいと改めた。
あれこれと選んでいる間、では自分の物もと次第に脱線し始めて。
「君はどれがいいと思う?」
これでは終わりが見えないなと、近くにいたルリアに問いかける。
「うーん、サンダルフォンさんには白がいいと思います!これとかどうですか?」
「ではそれにしよう」
「そんな簡単に決めちゃっていいんですか?」
「あぁ、気に入ったから問題ない」
装飾もなくシンプルなビキニタイプだ。
さすがに露出が高いので、サイズの合った上着とショートパンツも選ぶ。
手早く決め、店主に着替えてもいいか聞いていると。
「オレ様が教えてやるよ」
背後から、カリオストロの声が聞こえてきた。
「楽しそうなことになってんじぇねぇか」
ずるずると引っ張られ、更衣室へと向かう。
「ちょっと待て一人で大丈夫だ」
「大丈夫なわけあるか、そんな格好で人前に出てるくせに、痴女かよ」
「は」
どん、と背を押され意外と広い更衣室に二人で入る。
有無を言わせず衣服をはぎ取られて。
「はぁー何だよいい体してんじゃねぇか、オレ様には劣るけどな。これはここを寄せてこうだ、きつく結んどけよ外れたらしゃれにならねぇ。こっちはこう」
「おいちょっと待て変なところを触るんじゃない!」
「ハァ?変もクソもあるか、はぁーん……美少女に触られて、感じちゃった?」
「妙なことを言うな!」
そんなにぎやかな声が店内まで響いていた。
屋台初日を終え、ハァと溜め息を吐き出す。
ここ数年で慣れてきていたし、まだ人も少ないだろうと思っていたのに妙に疲れた。
女性体に変化して、能力が落ちた訳ではない。
いつもより男性客が多く、馴れ馴れしい上に無駄に話しかけられる。
売り上げが増えるのはいいが、明日からも続くのかと考えると更に溜め息が漏れた。
「掃除終わったよサンダルフォン」
「あぁ、ありがとう」
最後まで手伝っていたグランも疲れたようにカウンター席に腰掛ける。
視線が向けられるが、すぐにハッとしたように辺りをさまよった。
「そんなに気になるか?」
サンダルフォン自身としては、視界に入って邪魔だな、と思う程度だ。
気まずそうな表情をして、辺りをさまよっていた視線が戻ってくる。
「気になるよ、そりゃ」
女性相手が慣れていないというならわかるが、これまでそんな様を見たことがない。
グランの周りには性別年齢問わず様々な人物がいる。
それこそ露出の高い美女も存在するし、彼に好意的だ。
「女性相手は慣れていると思っていたんだがな」
「人聞きの悪い言い方止めてよ」
「事実だろう、いつも平然としてるじゃないか」
「それはもう見ちゃ駄目だって刷り込まれてるの!でもサンダルフォンならちょっと許されるんじゃないかって気持ちが滲んでいるのが否めない……」
「別に見てもいいぞ」
確かにヒューマン同士なら不躾となるだろう。
しかしサンダルフォンは天司で、特に恥ずかしいとも無礼とも思わない。
それにグランの言葉は、未知に対する興味のようだった。
「そもそも君なら相手に困らないんじゃないか」
「どこ見て言ってるのそれ」
「あの艇に乗っている者はみんな君を慕っているだろう」
「いやそれで相手をどうこうしたらパワハラでセクハラで事案になって速攻訴えられるから」
「そうなのか」
そうなんだよ、と強く肯定する。
「でも僕のことそんな風に思ってたんだ?」
慕われているという評価に、嬉しそうにへらりと笑う。
「喫茶室を開いていればそれなりに話は聞こえてくるからな。他言する気はないから詳細は伏せるが」
「へぇ、他人に興味なさそうなのによく見てるね」
「興味がないわけじゃない」
埋められない感覚の差を知るために必要なことだ。
今この瞬間の視線すら。
「それでグラン、君は明日からもそんな態度を取るつもりか」
「え」
「そわそわと落ち着かない、他の者にも変に思われるぞ」
「そんな変だった?」
「あぁ」
頷けばショックだったのか、カウンターに突っ伏した。
「気になるなら見ても触ってもいいと言っているだろう」
「さわ、触ってもいいとは言ってなくない?」
「そうだったか。それで明日から今まで通りにしてくれるのか」
今日会った団員達はみな順応力が高かった。
そっか大変だな、と慰めるような言葉をかけられたくらいだ。
一番態度がぎこちないのが団長であるグランだった。
「……行くぞ」
「どこへ」
「俺の部屋に決まっているだろう」
手早く店を閉め、借りている部屋へと帰る。
ちょっと待ってだとか落ち着こうと言葉は聞こえたが、その場から逃げたりはしなかった。
「ほら」
部屋に入り、明かりを点けて向かい合う。
上着の前を開けば、かぁっと頬を赤くした。
顔を手で覆おうとするので掴み、引き寄せる。
胸に顔を埋めるように抱きしめれば、勢いよく引き離された。
「なっ、何するの」
「君が腹を括らないからだ」
「だってこんなのおかしいでしょ」
照れる姿はかわいらしいと言われるのではないか。
女性もころりと絆されそうだ。
「気になるなら確かめればいい」
「だから何でそうなるの!?」
「君が早く慣れないからだろう!」
「慣れるわけないじゃん!」
グランが叫んだところで、どんっ、と隣の部屋から壁を叩かれた。
騒がしくしすぎたらしい。
ちらっと壁を見て沈黙する。
「グラン」
手を掴み、胸へと導いた。
「!?」
「好きなだけ見ても触ってもいいから、慣れてくれ」
見慣れないから気になるだけだ。
サンダルフォンは触れられても平気だから、確かめればいい。
「……柔らかい」
胸の膨らみに指が食い込んだ。
しばらくして、ベッドへと移動した。
二人分の体重でぎしぎしと揺れる。
さすがに壊れることはないと思いたい。
最初は控えめに胸に触れていたが、次第に力が強くなる。
水着をずらされると、視線が刺さるようだった。
「朝、見えたときからずっと気になってた」
「何がだ?」
「ピンク色だな、って」
すり、と指が先端部分に触れる。
「ん」
左の乳首を摘まんで、捏ねて。
最初は弱く、次第にきつく絞るようになる。
しかしまた軽く擦ったりと緩急をつけられた。
もう片方は柔らかさを楽しむように揉まれている。
「かわいい、固くなってきた」
「妙なことを言うな」
「好きにしろって言ったくせに」
「それは……ぁっ」
きゅ、と摘ままれ高い声が漏れる。
咄嗟に口をふさぐと、グランはにこにこと笑っていた。
「……君はゴネたくせにずいぶん乗り気じゃないか」
「だって興味あるのは事実だし……」
言いながら、右の胸に頬を押し当てる。
唇が肌に触れたと思ったら、先端を口に含まれて。
「んっ」
ちゅう、と音を立て吸い付く。
ざらついた舌に擦られ、芯を持つのがわかった。
「っ、グラン」
そっと髪を撫でれば、ちらりと視線を向けられた。
濡れた瞳は心地よさそうに見える。
「指、あんまり強くされると、痛い」
吸うのに夢中だったのか、指の力が強い。
固くなったせいか、じんじんと痺れるような気がする。
「え、ごめん」
ぱっと顔を上げて見下ろす。
どちらも濃く色づいて、片方は濡れて明かりを反射している。
「じゃあこっちも舐めてあげる」
どこがじゃあ何だ、と口にする前に吸い付かれた。
宥めるみたいに舌を這わせる。
それまで舐められていた方は手のひら全体で包み込まれた。
「ん」
妙なことをしていると思うのに、熱心な姿がかわいく見えるのはどうかしている。
もう一度頭を撫でていると脚に腰が押しつけられ、硬い感触に気付く。
しばらく何かわからなかったが、興奮による生理現象だ。
知識として理解しているが、自分自身が経験したことはないし、他人の物も見たこともない。
「おいこらグラン、妙な物を押しつけるな」
「え」
腰を揺らしておきながら、自覚していなかったのかぼんやりとした表情だ。
脚を動かせば、びくりと肩が震えた。
「あ、ごめん」
ぱっと状態を起こして体が離れる。
これで満足したかと思ったが。
「挟んでもいい?」
「ん?」
何を、どこへ?
疑問は一瞬で解消された。
グランも水着だったので、脱ぐのが早い。
ずるりと引き下ろせば勃起した物が現れて。
「挟んで」
膝立ちになり、胸の間に押しつけてくる。
「は」
「横からこう」
ぎゅっと左右から押さえつけられ、しかも自分で持つようにと指示される。
早くと急かされて触れれば、もっと強くと言われてしまう。
「そう、気持ちいい」
体重をかけないようにするためか、ヘッドボードを掴んで体を浮かせた。
ぬるりと胸の間で擦れる。
「ひ」
透明な分泌液で濡れていて、腰を動かす度にぬちゃぬちゃと音がした。
色の濃い先端が胸の間に隠れ、顔を出すときにはトロッと液体を溢れさせる。
「はは、すごい……」
サンダルフォンはただ、腰を振る様を眺めることしかできなかった。
男性器が勃起するのは性的興奮に因るもので、女性器に挿入して射精することで子を成す。
快楽を伴い、子作りのためだけの行為ではない、と。
知っているのはその程度だ。
だから、こんな。
胸に擦り付けるなど知らない。
「ぁ、あぁ、出る、出すよサンダルフォン……!」
息を乱して、ぶるりと震えた。
吹き出した白濁が顔や胸にかかる。
「っう」
青臭さに眉を寄せた。
ねばねばして気持ちが悪い。
「……おいグラン、満足したなら」
「すごい、やらしいね」
濡れた胸を掴まれる。
滑るので先ほどのような強さはない。
「ぬるぬる気持ちいい?」
「ふざけるな」
「でもほら」
つん、と尖った乳首に触れる。
遊ぶみたいにつんつんと繰り返す。
「……つつくんじゃない」
「ふ、ふふふ」
好きにしていいと言った手前、咎めるのを悩む。
「サンダルフォンのそういうとこ、僕好きだよ」
言いながら、むにむにと弾力を楽しむように手のひら全体で揉む。
「調子のいいことを」
「そうかな」
笑うと、手が下へ向かっていく。
「ここ、も触っていい?」
「え?」
するりとショートパンツの上から撫でた。
「好きにしていいんだよね?」
戸惑う間に、ボタンを外されショートパンツを膝の辺りまで下ろす。
「濡れてる」
「へ」
水着の上から中心部を撫でた。
指摘され初めて、濡れた感触に気付く。
「ぁ、は」
割れ目を辿るように幾度も指が往復し、もどかしいような感覚が広がる。
「何か、熱い」
「ん、ぅ」
どれほど濡れているのか、指が擦れると水音が響く。
水着越しに指を埋められるとぞくりとした。
「グラン」
「脱がせるね」
「ちょっと待て、グラン」
「うん」
答えはあったが手は止まらない。
ショートパンツだけでなく、水着まで呆気なく取り去られる。
朝は羞恥心などなかった。
見ても触れてもいいと言ったあの瞬間も、平気だった。
しかし今、熱っぽい視線を注がれると落ち着かない。
無防備な姿を晒している気がする。
「つるつるだ、かわいい」
「嬉しそうに言うんじゃない」
「だってほんとに」
脚の付け根辺りを撫で、指が奥へと滑る。
「う」
「熱い……ぬるぬるしてる」
襞を広げようとするが、躊躇うように深くは入ってこない。
擦られるだけでどんどん液体が溢れるのがわかる。
「待て、待てってグラン」
「やだよ、止めない」
「胸だけだったんじゃないか」
サンダルフォンにしてみれば、見て触れば気にするようなものでもないとわかるだろうと思った。
見慣れない姿に戸惑っているだけだと。
しかしここまでくると少し違う。
「おっぱい触らせて好きにしろって言ったのサンダルフォンでしょ」
「いやだから、それは胸だけの話で」
「据え膳で止まれるわけないでしょ何言ってんの」
今日はずいぶん知らない言葉を聞いたな、と余計なことを考える。
グランのこんな一面も知らなかった。
「責任取ってよサンダルフォン」
太股に腰を押し当てる。
胸に挟まれたたときと同じように硬い。
「俺のせいか」
「好きにしろって言った」
ここで縋るような目をするのはずるいだろう。
サンダルフォンは強く断る気になれない。
「しょうがないな」
他の誰かならきっと断った。
そもそもこんな状況にすらならないだろう。
グランならまぁいいか、と思ってしまうのはサンダルフォンの甘さかもしれない。
「君のペニスを俺の女性器に入れたいんだな?」
脚を開いてみせる。
自分でも秘部を撫でると、指摘されたとおり濡れていた。
「うん」
「わかった、君の好きにしてくれ」
「本当?」
先ほどは強引に進めようとしたのに。
結局はこうやって確認するのだから、かわいいな、などと思ってしまう。
だからこそ甘いのだけれど。
「ほら、据え膳?なんだろう」
体を引っ張って腰を合わせる。
どちらも濡れていて、触れると不思議な感覚がした。
「入れるよ……?」
「あぁ」
性器に手を添えてあてがう。
位置が定まらないのかぬるぬると擦れる。
「ここ……?」
「ん」
先端を飲み込むと、後はずるずると入ってくる。
「は、ぁきつ……痛い?大丈夫?」
「痛いが別に大丈夫だ」
「あー冷静~」
おかしそうに笑って、ぱたりと倒れ込んできた。
胸に顔を埋めている。
「グラン?」
「動いたら気持ちよくてイッちゃいそう」
「そうか」
「うん、サンダルフォンは?」
胸に口づけながら、ちらっと視線を向けられた。
「どうかな、よくわからん」
グランを受け入れた場所はじわじわと熱を持っている気がする。
落ち着かない気分にはなるが、それが快楽かと問われるとよくわからない。
「そっか、じゃあ、これから気持ちよくなっていこうね」
それにサンダルフォンは了承していない。
していないのだけれど。
抜き差しされるうちに、意識は途切れていた。
ぱっと目を開け、明かりを消さずに寝てしまったと気付く。
しかも何やら体が重く、見ればグランが胸に顔を埋めるように乗っていた。
よくそんな体勢でよく寝られるなと感心する。
手も胸に添えられたままだ。
「おい、グラン起きろ」
汗や体液が絡んでいて不快で、グランもシャワーを浴びた方がいいだろう。
ぺちぺちと頭を叩いていると、煩わしそうに唸る。
床に落としてやろうか、と考えたところでようやく目を開けた。
「ようやくお目覚めか」
「……サンダルフォン」
ふにゃふにゃとだらしなく笑う。
なぜそこで再び胸に埋まるのだ、と髪を掴んで引っ張る。
「寝るならシャワーを浴びてからにしろ。俺も汗を流したい」
「わぁ、本当だベタベタしてる……」
体の上からどかしてベッドから下りた。
シャワーの温度を調節していると、遅れてグランがやってくる。
「どうだ、少しは見慣れたか」
「うん」
「そうか、それはよかったな」
最初の提案とはだいぶ違う形になったが、結果が伴ったならいいだろう。
明日からこれまでのように過ごせるならば。
「でもね」
ぎゅ、と背後から抱きしめられる。
「またシタくなっちゃった」
押しつけられる硬さに、何と答えるのが正解なのかわからない。