+ちょっかいかけるベリ
狼と梟 05
すり、と背後から首元を撫でられぞっとした。
振動で椅子が音を立てるが、後ろに立つ男は気になど止めずに耳元に唇を寄せる。
「ずいぶんキミへの執着心が強いみたいだ」
肩に置かれた腕を払おうとするが手応えはなく、にやにやと笑いながら横へと座った。
わざと椅子まで寄せて。
「止めろ、近づくな」
さっさと片付け席を立とうとするが、ぐっと腕を掴まれた。
力でも口でも、敵わないのは長年の経験で知っている。
では最善は何なのか。
適当にからかわれ、満足すれば解放される。
けれど、今は。
「番犬が嫌がるって?」
「っ、そんな言い方をするな」
「違わないだろう、どれだけ盛られてる?」
とん、と指が鎖骨の辺りを示す。
そこにある物を思い出し、カッと頬が熱くなる。
服で隠れているのに、何故、とそんな戸惑いも浮かぶ。
「オレにそんな隙を見せていいのかい?」
身を寄せられ、ふわりと甘い香りがする。
首筋に軽く唇が触れた。
「まぁ、上手くリードを握っておけよ」
「だから、そんなんじゃないと言っているだろう」
シャツの襟で首を拭う。
身を捩れば意外にもあっさりと離れていく。
「嫉妬は最高のスパイスだぜ、サンディ」