組み合わせは未定です。
ルームシェア 01
ことりと、こたつの上にマグカップが置かれる。
「カフェモカもどきだ」
「もどき?」
「インスタントでココアだから」
「そうなんだ、ありがとう」
カフェモカって何だっけ、と思いながら口を付けた。
ココアの甘みが強いけれど、コーヒーの香りがする。
なんだかほっとして、肩の力が抜けた。
「おいしい」
「それはよかった」
言いながら、てっきり横に座るのかと思えば。
背後から抱き込むようなポジションを取られ、マグカップを持つ手が止まる。
「サンダルフォン?」
「テレビが見えない」
「あ、うん、そうだね」
リモコンで途中まで見ていた映画を再生させる。
背中に体が密着して、途端に心拍数が上がった。
「グラン?顔が熱いな」
顔を覗き込まれ、するりと頬を撫でる。
意地悪く笑う顔が見ていられなくて視線を逸らそうとすれば、顔の向きを固定された。
近付く赤い瞳に囚われる。
「で、キミたちはいつ始める気なんだ?」
こたつの横から、ベリアルが体を起こす。
てっきり寝ているのかと思った。
サンダルフォンに驚いた様子はないので気付いていたのかもしれない。
「それとも新手の焦らしプレイかい?」
こちらを見て、わざとらしくはぁと溜息を吐く。
サンダルフォンは黙殺することにしたのか、のっしりと背中に体重をかけてきた。
「で、オレにはカフェモカモドキくれないの?」
「鍋に残ってるから飲みたければ勝手に飲め」
「うわひでー。ちょっとは俺にも優しさ分けてくれてもよくない?」
「そんな物は持ち合わせていない」
不機嫌そうな声に笑いながら、ベリアルがキッチンへと向かった。
腰に回った腕に触れると、少しだけ笑う気配がした。
「なぁサンディ」
マグカップを手に戻ってきたベリアルが横に座る。
にやにやと笑いながら。
「これ甘くないんだけどオレのため?」
「俺用だ」
ちっと舌打ちしたサンダルフォンの唇が、甘いことを僕は知っている。