ルームシェア 07
「なんだこれは」
サンダルフォンは基本的に好き嫌いはない。
極端に激辛だとか甘ったるいだとかでなければ。
なので普段は文句もないし、むしろ美味しいと思っている。
ただ、今目の前に置かれた鍋は、食事のはずなのにどことなく甘い香りがする、気がする。
正しくはケチャップのような。
「トマト鍋」
「美味しそうー!」
しれっと答えたベリアルと、嬉しそうなグランの声が届く。
ソーセージやブロッコリーが見えるがこれは鍋の具なのだろうか。
戸惑う内に器に盛りつけられてしまった。
まぁ食べなよ、と促される。
キャベツ、キャベツなのか白菜でなくて。
横でにこにこと食べるグランに倣い、サンダルフォンも口にした。
「……旨い」
何となく、悔しいけれど。
少し甘みがあるが思ったほどではなかった。
ポトフのようなものだと思えば受け入れられる。
「そりゃよかった。ところでシメはパスタとオムライスどっちがいい?」
そんなベリアルの問いかけに。
「オムライス!」
二人の声が重なった。